医療機関がオンライン診療システムを導入するには?流れをご紹介!
公開日:2023/01/15 最終更新日:2023/07/04
感染症の拡大により、感染リスクのないオンライン診療が注目を浴びています。オンライン診療とは、スマートフォンやPCなどの情報通信機器を通して、診察や診断を行い、結果を伝えたり薬を処方したりすることです。この記事では、オンライン診療システムの導入を検討している医療機関向けに、導入の流れをご紹介します。
医療機関がオンライン診療システムを導入するには
BBT大学院によると、世界のオンライン診療の普及率や市場規模は新型コロナウイルス感染症の影響で急速に伸びています。2030年までの10年近くで10倍弱にまで成長すると予想されています。日本でも病院数でみるとコロナ前は5%だったのが、コロナ禍で規制緩和されたことにより15%と3倍に拡大しています。今後も人口減少により医療従事者が不足することや、新型コロナウイルス感染症の収束が見えないことにより、普及率は高まっていくことが予測されています。
実際にオンライン診療システムを導入するには、まずは、オンライン診療についての厚生労働省のガイドラインを確認し、導入可能か検討する必要があります。必ずガイドラインに準拠していると明示されているシステムを探し、通信機器やインターネット環境を整えたら各地方の厚生局へ届け出が必要となります。システムが整ったら、実際に自分の医療機関でオンライン診療の対象とする患者を決める必要があります。急な治療を必要とする場合や、過去に受診したことがなくどこからも情報提供がない場合は該当となりません。
オンライン診療システムを導入するメリット
オンライン診療システムの導入には一定の費用がかかるものの、医療機関側にも患者側にもさまざまなメリットがあります。
院内感染や二次感染のリスクがない
オンライン診療システムがコロナ禍で普及したのは、患者が爆発的に増えて医療機関の負担が大きくなったことと、スタッフの感染や過酷な勤務による離職が進み人手不足が深刻化したことが影響しています。オンライン診療システムでは完全に非接触となるので、患者同士の院内感染も、スタッフを介した二次感染のリスクもありません。安全に診療することが可能です。
スタッフの業務軽減
オンライン診療システムには、さまざまな機能があります。医療機関が予約枠を設定すれば、自動で予約を受け付けたり、事前に保険証の確認や設定した問診表に答えてもらったりすることもできます。医師の診察が終了すれば、オンライン決済、処方箋のデータ送信も可能です。軽い症状や慢性的な患者の場合、いつもは看護師や医療事務が行っている業務の大半を代わってもらうことが可能です。これによりスタッフの業務が軽くなり、ミスも少なくなることが期待されます。
患者サービスの向上
患者にとって具合が悪いときに医療機関に移動し、受付や会計で長時間待たされ、薬の受け取りでまた待たされるのはとてもつらいものです。オンライン診療であれば移動や待ち時間がなく、薬も届けられる場合もあります。また、緊急避妊やED、AGAなどは対面診療のハードルが高いので、オンライン診療の方が受診しやすいというメリットがあります。
オンライン診療システムを導入するデメリット
便利なオンライン診療システムではありますが、状況によってはデメリットもあります。
オンライン診療の対象疾患は限られている
オンライン診療に向いているのは、比較的症状が安定している疾患で、診察後に定型的な薬で治療する慢性疾患です。一方で、けがなどで処置が必要な場合や、診断のために視診や聴診、触診など直接診療が必要な場合は対面診療の対象となります。緊急性がある場合も対象外です。オンライン診療は患者の安全性を確保するために細かい規定があるため、導入前に充分な確認が必要です。
インターネット環境に診察が左右される可能性
オンライン診療を充分に利用するためには、医療機関と患者の双方のインターネット環境が整っていなければなりません。通信が不良となることで、診療が途中で止まってしまったり、見たい・聞き取りたい情報がうまく得られなくなったりすることがあります。オンライン診療を本格始動する前には、可能な患者さんには事前にシステムの動作確認をしてもらうことで安心して利用してもらうことが可能です。また、オンライン診療システムの限界をホームページなどで周知していくことも必要です。
対面診療よりも診療報酬が低い
これまでオンライン診療では、対面診療に比べ診療報酬が安く抑えられていました。しかし、新型コロナウイルス感染症による医療ひっ迫が続くなか、オンライン診療の重要性が見直され、令和4年に診療報酬が引き上げられました。初診料や個別の管理料は対面診療に比べて約87%、再診料は対面と同額、外来診療料も対面が74点に対し73点と、対面診療に大きく近づき、評価されるようになったのです。収益性があまりデメリットにならなくなったことで、医療機関にとってはよりオンライン診療が導入しやすくなったといえます。
オンライン診療システムを導入するときの注意点
オンライン診療は、もともと離島やへき地などの遠隔地の患者が医療を受けられるように制定されたものです。その後、さまざまな制度の見直しやガイドライン、法律の整備などが重ねられてオンライン診療が普及しました。また、新型コロナウイルス感染症の影響で制度は大きく変わってきています。導入にあたっては、必ず厚生労働省の最新の状況を確認しましょう。
まとめ
この記事では、医療機関がオンライン診療システムを導入するメリットとデメリット、注意点について説明しました。オンライン診療システムは、今後ますます拡大することが予想されています。医療機関でスタッフと患者の両方のリスクと負担を軽くし、よりよい医療を提供する手助けとなります。この記事でオンライン診療のシステムの概要を把握し、導入や検討する方の役に立てれば幸いです。
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