オンライン診療システムの導入にあわせて研修も必要?研修内容を解説
公開日:2023/03/01 最終更新日:2023/03/24
新型コロナウイルス感染症の流行に影響を受け、導入する医療機関が徐々に増えているのがオンライン診療システムです。オンライン診療を導入するには、事前に医師が厚生労働省に指定された研修を受ける必要があります。今回はオンライン診療の研修カリキュラムや、緊急避妊薬を処方する場合の緊急避妊薬研修プログラムについて詳しく解説します。
オンライン診療システムを導入するなら事前の研修が必須
オンライン診療は、患者が医療機関を訪れるのではなく、家にいる状態で医療機関とインターネット回線を通じてつながり、医師と画面越しに問診などのやりとりができる診察方法のことです。
定期的に医師の診察を受けていて「症状が安定しているので、普段の薬だけほしい」という場合や、緊急性のない症状の場合にはオンライン診療を利用してもらったほうが、患者と医療機関両方の手間が減るうえ、院内感染を防ぐことにもなります。遠方に住んでいてなかなか医療機関を受診できない人の手助けにもなるシステムです。
しかし、便利なことが多い一方、オンライン診察には注意点もたくさんあります。オンライン診療に使う通信機器を使いこなす必要があり、セキュリティに関する知識も求められます。患者のなりすましなどを防ぐために確認事項も普通の外来で対面診療するときより多くなり、オンライン診療のメリットとともにデメリットも患者に周知する必要があります。
オンライン診療の根本的な指針を理解しておくことも大切です。このように、各方面で適切な知識をつけ正しい判断と運用ができるように、オンライン診療の責任者である医師は導入の前に研修を受けることが厚生労働省から義務付けられています。
全員必須のオンライン診療の研修カリキュラム
厚生労働省が用意しているオンライン診療の研修は、事前にホームページから申込みを行い、受講者登録メールを受け取るだけで受講できるようになります。料金は無料です。e-learning形式のため、研修のためにわざわざ仕事を休んだり遠方の会場に行ったりすることもなく、いつでもどこでも都合のよいときにインターネットで受講できるようになっています。
研修カリキュラムは「オンライン診療の基本的理解とオンライン診療に関する諸制度」「オンライン診療の提供にあたって遵守すべき事項」「オンライン診療の提供体制」「オンライン診療とセキュリティ」「実臨床におけるオンライン診療の事例」の5つの科目から成り立っていて、それぞれの科目の担当講師が講義を行います。
内容はいずれもオンライン診療を導入するうえで知っておくべきことです。各科目で10題の問題が出されるので、研修を受講する医師はこの問題に全問正解することでカリキュラムを完全に理解したということになり「厚生労働省指定オンライン診療研修修了証」を受け取ることができます。
なお、オンライン診療を導入し、施設基準であるオンライン診療料を各都道府県の厚生局に届け出る場合には、この厚生労働省指定オンライン診療研修修了証が必ず必要になるので、届出の前に必ず受講するようにしましょう。
緊急避妊薬を処方する場合の緊急避妊薬研修プログラム
ここ数年でメディアに取り上げられることも多くなってきた緊急避妊薬ですが、充分な効果を得るためには性交後72時間以内に内服する必要があります。もちろん、対面で診察を受けてもらい処方するのが一番確実で安全ですが、時間帯や地域によってはなかなか難しいこともありますよね。
緊急性も高いことから、厚生労働省では一定の要件のもと、研修を受けた医師であれば初診でもオンライン診療で緊急避妊薬を処方することを認めています。一刻も早く緊急避妊薬を手にしたい患者にとって、オンライン診療で緊急避妊薬を処方してもらえると助かりますよね。
厚生労働省指定の緊急避妊薬研修プログラム
医師が患者にオンライン診療で緊急避妊薬を処方するためには、厚生労働省がオンライン診療に関する指針を示した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」によって指定されている緊急避妊薬研修プログラムを受講する必要があります。この研修プログラムを受けることで医師は初診でも緊急避妊薬を処方できるようになるのです。
オンライン診療の研修カリキュラムと同時に受講するのがおすすめ
緊急避妊薬研修プログラムは、前述のオンライン診療の研修カリキュラムと同時に申し込み受講できます。オンライン診療の研修カリキュラムの申し込み画面に「緊急避妊薬研修プログラムを受講しますか?」という欄があるので、受講したい場合はそこにチェックを入れて申し込んでください。
まとめ
オンライン診療には、これまで対面診療で培ってきた知識や経験だけではなく、通信機器の使用方法やセキュリティ面など、新たに知っておかなければならない項目もたくさんあります。
患者の安全とプライバシーを守るためにも、スムーズなオンライン診療で医療機関の負担を減らすためにも、研修プログラムでの学習はとても重要です。緊急避妊薬を処方する場合にはあわせて緊急避妊薬研修プログラムも受講するようにしましょう。
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